再生医療(脂肪由来幹細胞治療)

(当院は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下、再生医療法)」の規定に則り、「再生医療等提供計画」を関東信越厚生局へ提出・受理されています。)

おゆみの中央病院は、2023年より脂肪由来幹細胞治療を提供しています。
脂肪由来幹細胞治療は再生医療のひとつで、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」を生かした治療法です。再生医療は、日本国内において、再生医療新法によって厳格に規制・管理されており、①安全性が担保された方法で、②届出が受理された施設、③登録された医師に限り実施することができます。
なお、脂肪由来幹細胞治療は、保険適用外(自由診療)です。そのため、費用は全額自己負担となります。

脂肪由来幹細胞治療とは

幹細胞は自己を複製する能力と、他のものに分化する能力を持った細胞です。

幹細胞は自分の数を増やしながら(自己複製機能)、損傷部位があると本能的にそこに接着し、様々な栄養因子を放出し、組織の保護再生に作用したり、傷害された細胞を補充する機能細胞となりうるという性質を持っています(多分化機能)
幹細胞を用いることで、細胞の老化により弱った組織を若返らせることが期待できます。

脂肪由来幹細胞を用いた関節症治療について

自己複製機能・多分化機能(軟骨を含む多様な細胞に分化できる能力を持つ)

変形性関節症により傷ついた軟骨の再生に働きかける

抗炎症作用(炎症を抑える効果のある物質を分泌する性質がある)

炎症を抑えることにより症状の悪化を防ぐ効果が期待できる

PRP療法との併用について

PRP療法幹細胞治療は併用することが可能です。
海外の報告によれば、いずれか単体での治療に比べ、治療成績が良いとされています

PRP療法と幹細胞治療の比較

  PRP療法 幹細胞治療
治療効果の特徴 組織修復を促し、自然治癒力を高める。 組織修復を促し、自然治癒力を高めることに加え、分化する力と自己複製能力によって、組織の修復だけでなく、失った組織の再生が期待される。
抗炎症作用 あり あり
治療の流れ 自己の血液を遠心分離機を用いて、有効成分を抽出し、当日のうちに患部に注射する。 自己の脂肪を採取し、4週間程度かけて、細胞を培養して数を増やした後、患部に注射する。血清作成のため、血液も採取します。
治療予定日の延期
※治療当日、キットを開封してからは延期不可
治療(投与)予定日確定以降の変更原則不可(例外)培養完了より、48時間であれば幹細胞は投与可能ですが、医師の勤務状況などにも左右されます
※培養依頼を行ってからは、原則、治療費の80%(患者に一方的に非がある場合は100%)のキャンセル費用が発生します。
治療費用(税込)
※関節症治療(片膝)の場合
APS:330,000円
Mycells:39,600円×回数
感染症検査:17,600円(Mycellsのみ)
948,000円

細胞培養委託先企業について

CPC株式会社(お茶の水細胞培養加工室、アヴェニューセルクリニック細胞培養加工室)

東京大学(整形外科学教室 第一研究室他)、東レメディカル社他、パートナー企業との共同研究によって、組織採取方法・培養方法・非凍結での幹細胞輸送方法を確立。

TOPs細胞®

共同研究によって培われた技術を用いて培養された脂肪由来幹細胞を指します。

細胞培養へのこだわり

配送へのこだわり

臨床検体や治験で使用されている国連規格に適合する三重梱包のカテゴリーB(UN3373)専用BOXを採用

鮮度(活性)へのこだわり

培養後、検査を経て出荷する細胞は、活性の高い48時間以内に投与
※条件をクリアしているおゆみの中央病院は当日投与(10時間以内)

組織採取(低侵襲)へのこだわり

東レメディカル社と共同開発した、特殊生検針を採用
へそ付近から0.2g(米粒大)の採取で、傷跡が目立ちません

培養(質・量)へのこだわり

自己血清を使用。培地・培養方法も東京大学と共同開発
脂肪採取量(0.2g)で、十分な細胞数(5,000万個以上)まで、クリーンな環境で培養します。

脂肪由来幹細胞治療の長所

  • ご自身の細胞をご自身の血清を用いて培養するため、感染症やアレルギー反応が起こりにくい
  • 手術と比べて身体への負担が少なく、痕が残りにくい
  • 実施後から、普段の生活に制限が少ない
  • 通院だけで実施できる

脂肪由来幹細胞治療の短所

効果に個人差がある

効果を感じられる方とそうではない方がおられます。
効果が現れるまでの期間や効果が続く期間にも個人差がございます。

実施後の数日間、痛みや腫れ・熱感・発赤などを伴うことがある

ただし、これらの症状は一過性で数日かかる場合もありますが徐々に改善していきます。

適応除外項目

お体の状態によっては、脂肪由来幹細胞治療を実施できない場合があります。心当たりのある項目をチェックしてみましょう。

  1. がんと診断を受けたことがある
  2. 抗がん剤、生物学的製剤または免疫抑制剤を使用している
  3. 幹部に細菌感染等、活動性の感染を有する
  4. 重篤な合併症(心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、コントロール不良な糖尿病および高血圧症等)を有する
  5. 麻酔薬への過敏症がある
  6. 培養時に使用するペニシリン、ストレプトマイシン、アムホテリシンBへのアレルギー反応を起こしたことがある
  7. 病原性微生物検査(HIV、梅毒)が陽性
  8. 未成年である
  9. 妊娠中・授乳中である
  10. 重篤な外傷後で治癒が期待できないと医師が判断した場合
  11. 医師が、治療の理解に乏しいと判断した場合
  12. BMI40以上の過剰な肥満である場合
  13. 術前検査にてPT APTTに異常があり、かつ医師が不適当と判断した場合
  14. その他医師が不適当と判断した場合

その他の注意事項

成分を抽出できない可能性

採取した血液の状態によっては、成分を抽出できない可能性があり、再度採血が必要となる場合も考えられます。

使用器材の汚染や破損

脂肪由来幹細胞治療に必要な設備は法定基準をクリアしています。厳格な基準を設け、専門スタッフが血液や器材を清潔に取り扱う体制を確保しています。しかしながら、機器の予期せぬ不具合等により、汚染や破損が発生し、実施が延期・中止される場合も考えられます。

穿刺部の感染について

針を刺した箇所に出血や感染の可能性があります。ただし、出血や感染の危険性は、脂肪由来幹細胞治療に限らず、注射針を刺す医療行為全般に共通するリスクです。

リハビリテーションについて

脂肪由来幹細胞治療実施部位のリハビリテーションは、血液感染症検査日から、最長で6ヶ月間の定期診察終了まで、保険適用外(自費診療)となる場合があります。そのため、当院ではリハビリテーションを希望される患者様に向けて、オプション制(保険適用外(自費診療))にて提供しております。ご希望の場合には、主治医にご相談ください。

治療後の経過観察について

治療後は、治療効果について検証させていただくため、定期的に経過観察をお願いさせていただきます。目安としては、1週間後、1ヶ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、以降は1年毎の経過観察を推奨しています。